IAP呼吸法とは?お腹の圧を使って体を内側から支える呼吸法

「腰が重い」「姿勢が気になる」「なんとなく体が疲れやすい」——そんなお悩みをお持ちの方に、ぜひ知っていただきたい呼吸法があります。

その名も「IAP呼吸法」

難しいトレーニングでも、特別な道具が必要なわけでもありません。呼吸のやり方を少し変えるだけで、体の奥から変わっていく感覚を体験できます。


そもそもIAPって何?

IAP とは「腹腔内圧(ふくくうないあつ)」の英語の略です。難しく聞こえますが、要はお腹の内側にかかる圧力のことです。

息を吸ったとき、お腹がぷくっと膨らみますよね。あのとき、お腹の中では横隔膜(おうかくまく)や腹筋、背中の筋肉、骨盤の底の筋肉がいっせいに働いて、内側から「圧」をつくっています。この圧が、背骨や骨盤をしっかり支えるクッションの役割を果たしているのです。

イメージとしては、ペットボトルに水が入っているとき空のときを想像してみてください。水が入った状態(圧がある状態)は少し押しても形が変わりません。

でも空のペットボトルは、軽く押すだけでぐにゃっと曲がってしまいます。体幹も同じで、腹腔内圧がしっかり高まっていると、背骨や骨盤が安定して動けるのです。

現代の生活では、長時間のデスクワークやスマートフォン操作で姿勢が崩れやすく、自然とこの圧が機能しにくくなっています。腰痛・姿勢の悪さ・疲れやすさの原因の一つは、実はここにあることが多いのです。


やり方——4つのステップ

まずは仰向けに寝た状態で練習するのがおすすめです。慣れてきたら椅子に座った状態や立った状態でもできるようになります。

ステップ1:体の力を抜いてリラックスする 肩・首・手に余計な力が入っていないか確認します。自然な姿勢で、ふわっとした状態からスタートします。

ステップ2:鼻からゆっくり息を吸いながら、お腹を外側に膨らませる ポイントは「前だけでなく、横にも、背中側にも」膨らませることです。
お腹全体が風船のように丸く広がるイメージで吸います。胸が先に上がってしまう方は、手をお腹に当てて「手を押し上げるように」意識してみてください。

ステップ3:お腹の膨らみを保ったまま、1〜2秒だけ息を止める このとき、お腹をへこませないのがポイントです。
「お腹が固くなっている感じ」があれば正解です。これが腹腔内圧が高まっているサインです。

ステップ4:口からゆっくり息を吐く 焦らず、細く長く吐ききります。吐き終わるにつれてお腹が自然に引き締まっていく感覚があれば、うまくできています。

1回5〜10回を1セットとして、1日2〜3回続けてみてください。回数よりも「ちゃんとお腹に圧がつくれたか」を大切にするほうが効果的です。


うまくできないときは

一番多いのが、吸ったときに胸や肩が先に上がってしまうパターンです。これはいわゆる「胸式呼吸」になっている状態で、お腹の圧がうまく高まりません。「深呼吸しよう」と意識すると、かえって胸式になりやすいので注意が必要です。「お腹を外に押し出す」「お腹で壁を押す」というイメージに切り替えると自然と改善します。

また、お腹が前にしか膨らまないという方も多くいらっしゃいます。片手を腰の後ろに当てて、背中側にも膨らみが感じられるかどうかを確認しながら練習してみてください。


続けるとどんな変化がある?

腹腔内圧がうまく機能するようになると、体にさまざまな変化が現れてきます。

まず感じやすいのが腰の楽さです。体幹が内側から支えられると背骨への負担が分散されるため、腰が重い・だるいという感覚が和らいでくることが多いです。

次に姿勢の変化です。体の芯が安定してくると、表面の筋肉が必要以上に緊張しなくてよくなります。

結果として胸が自然に開いて、猫背や前傾姿勢が少しずつ改善されてきます。

また、横隔膜がしっかり動くようになると自律神経にも良い影響があります。緊張しやすい・疲れが抜けない・眠りが浅いといった状態が改善されていく方も少なくありません。

さらに意外と多いのがお腹の調子が変わったという声です。

腹腔内圧の変化が腸の動きに影響するため、便秘やお腹の張りが気になっていた方に変化が現れることがあります。


おわりに

IAP呼吸法は、一度コツをつかんでしまえば通勤中でも、仕事の合間でも、寝る前でも実践できます。毎日続けるうちに「体の内側から支えられている感覚」が育ってきて、動作の楽さや体の安定感が変わってきます。

「やり方が合っているか不安」「感覚がよくわからない」という方は、来院の際にスタッフへお声がけください。その方の状態に合わせてわかりやすくお伝えします。


とよだ整骨院|院長 豊田

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