【血圧が高い=減塩】はもう古い。──本当に整えるべきは「ミネラルバランス」

はじめに:なぜ血圧が上がるのか?

「血圧が高いから塩を減らしましょう」と言われたことがある方は多いと思います。
けれど実際には、塩を減らしても血圧が下がらない人がたくさんいます。


現代人の高血圧の多くは、塩そのものではなく、
神経・代謝・血管のバランスの乱れによって起こっています。

血圧とは「体の流れの圧力」。
その流れを滞らせている原因がどこにあるのかを見極めることが、根本的な改善につながります。


高血圧には4つのタイプがあります

  1. 塩分型(ナトリウム過多)
     塩分の摂りすぎで水分が体に溜まり、圧が上がるタイプ。
  2. 緊張型(ストレス・自律神経型)
     ストレスや緊張で交感神経が過剰に働き、血管が縮まるタイプ。
  3. 代謝型(インスリン抵抗性・糖代謝型)
     糖質過多や内臓脂肪により、インスリンが過剰に出てナトリウムを保持してしまうタイプ。
  4. 血管硬化型(加齢・酸化ストレス型)
     血管の柔軟性が失われ、血液を押し出す力が必要になるタイプ。

日本人の多くは、この②〜④に当てはまります。
つまり、「塩分を減らすだけでは下がらない高血圧」なのです。


マグネシウムは3タイプに効く“調律ミネラル”

マグネシウム(Mg)は、血圧を「下げる」栄養素ではなく、
血圧を上げてしまう体の仕組みを静める栄養素です。

  • 緊張型には:交感神経の過剰な働きを抑え、血管をゆるめる。
  • 代謝型には:インスリンの働きを助け、塩分保持を防ぐ。
  • 血管硬化型には:酸化ストレスを和らげ、血管の弾力を保つ。

マグネシウムは、神経・血管・代謝を穏やかに整える“体の指揮者”。
不足すると、どんなに減塩しても血圧は安定しません。


減塩よりも「良塩+ミネラルバランス」へ

精製塩(99%NaCl)は、ナトリウム以外のミネラルがほとんど失われた「塩の抜け殻」。
これを多く摂ると、体内のナトリウムバランスが崩れ、血圧が上がりやすくなります。

一方、天日塩や岩塩などの自然塩には、
マグネシウム・カリウム・カルシウムといった“共存ミネラル”が含まれています。
これらがナトリウムの働きを調整し、体の中で塩が“安全に使われる”のです。


毎日の生活でできること

  • 白米中心よりも玄米や雑穀を取り入れる
  • 豆腐・納豆・海藻・ナッツ類を毎日少しずつ
  • 味噌汁ににがりを数滴加える
  • 深呼吸・入浴・睡眠で自律神経を整える

「血圧が高い=塩を減らす」ではなく、
“塩を活かせる体”に戻すことこそが、自然で長続きする血圧コントロールです。


まとめ:血圧は“流れの乱れ”のサイン

血圧は、体がバランスを取り戻そうとしているサイン。
本当の治癒は、「薬で抑えて、栄養と代謝で戻す」ことで始まります。
マグネシウムを中心に、自然なリズムを取り戻していきましょう。

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