「深呼吸が身体を整える理由 ― 横隔膜と体幹の力」

浅い呼吸と深呼吸で使う筋肉の違いと身体への効果

1. 浅い呼吸で使う筋肉

普段、何気なくしている「浅い呼吸」は、胸のあたりだけが上下する呼吸です。
このとき主に働くのは 肋骨のまわりの筋肉(肋間筋) です。

また、呼吸が浅く速くなると、首の前についている 胸鎖乳突筋斜角筋 といった首の筋肉も余分に働き、肩や首まわりが張りやすくなります。
そのため、浅い呼吸が続くと「肩こり」や「首こり」につながることがあります。


2. 深呼吸で使う筋肉

深呼吸では、お腹の奥にある 横隔膜 がしっかり働きます。
横隔膜が下がることで肺が大きくふくらみ、お腹が自然に前に出てきます。これがいわゆる「腹式呼吸」です。

さらに、息を吐くときには お腹の筋肉(腹直筋・腹斜筋・腹横筋) が働いて肺の空気をしっかり押し出します。
背中側では、姿勢を支える 脊柱起立筋 なども間接的に関わります。

つまり深呼吸は、胸だけでなく 体幹全体の筋肉を使った呼吸 になるのです。


3. 深呼吸による身体への効果

深呼吸を習慣にすると、次のような効果が期待できます。

  • 自律神経の安定
    ゆっくりした呼吸は副交感神経を高め、リラックス効果につながります。
  • 酸素の取り込み量アップ
    肺の奥までしっかり空気が入るため、全身の細胞に酸素が行きわたりやすくなります。
  • 肩や首の緊張の緩和
    浅い呼吸で酷使していた首・肩まわりの筋肉の負担が減ります。
  • 姿勢の改善
    横隔膜や体幹の筋肉を自然に使うため、姿勢が整いやすくなります。

まとめ

  • 浅い呼吸=胸の筋肉や首の筋肉が中心
  • 深呼吸=横隔膜+体幹の筋肉をしっかり使う
  • 深呼吸をすると、自律神経や姿勢にもプラスに働く

日常生活の中で「ちょっと息を深く吸ってみよう」と意識するだけでも、体は変わってきます。
疲れたときや気持ちが落ち着かないときに、ぜひ深呼吸を取り入れてみてください。

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